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農地パトロール 急務は残す、残さないの区別

 今年も夏が来る。夏といえば農業委員会の農地パトロール。もはや夏の地域の風物詩となるほど全国で定着した。農業委員会活動の見える化の取り組みの一つとして2009年の農地法改正で農地利用状況調査として法定されて以降、全国の農業委員会の必須業務だ。
 年々進む高齢化と後継者不足などで、農地の遊休化の懸念は増している。そうした中、市町村独自の取り組みでタブレットを導入し、農地台帳のデータをダウンロードするなど、格段に合理化した取り組みもある。近年はドローンの活用も始まっている。
 また、クマなどの獣よけにパトロールの際に鈴や笛を身につけたり、女性委員の増加も受け、1人でのパトロールに危険がないように班を編成して取り組んだりと、新たな課題に対応したさまざまな実践が各地で進んでいる。
 調査の結果、判明した遊休農地の所有者らに対しては利用意向調査を実施する。取り組みは切れ目なく続くが、該当農地が農地中間管理機構への借り受けに至らないケースが山積している。そのことが農業委員会・機構双方に膨大な労力を強いており、改善が求められている。
 一方、パトロールの結果、いわゆるB判定された農地の非農地判定の取り組みが急務だ。森林の様相を呈しているにもかかわらず、非農地判定後に生じる懸念や他制度との調整など諸般の事情で踏み切れないでいる事案が少なくない。
 農水省は3月に通知「農地に該当しない土地の農地台帳からの除外について」を発出。現場の懸念を払拭する考え方を詳しく示した。農業委員会は本通知も踏まえ、残すべき農地とそうではないものとの区別を進めることが急務だ。
 今年のパトロールではその問題意識をさらに研ぎ澄まして取り組みを徹底したい。委員の皆さんの安全第一での健闘を期待したい。

 [2018-6-22]