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大地 地産地消のソバに満足

 秋晴れの9月末、栃木県那須を訪れ、実りの秋を満喫してきた。黄金色の稲穂は頭を垂れ、白いソバの花は満開、桃色のコスモスも清々(すがすが)しい▼農家組合直営の蕎麦(そば)屋さんで昼食。窓いっぱいに広がる白いソバ畑を眺めながら食す手打ち蕎麦は格別だ。蕎麦湯も実に香り豊かだ。この眺め、景観もご馳走(ちそう)のうち▼蕎麦屋は行列を成す大人気。30分待たされたが、とにかく安くて美味(おい)しい。盛りの少ない東京の蕎麦屋と比べると、その盛りは倍半分の違いがある。農家の気持ちが伝わってくるようでうれしい。待ち時間に蕎麦打ちの人に聞いたところ、通常は一人前120グラムのところ、ここでは200グラムにしているという▼仲間が組合をつくって始めたソバ栽培と蕎麦屋。地域農家の協働と努力、地産地消でかつてのソバ産地を見事に復活させた▼農産物の生産から加工、販売、調理、宿泊、観光など付加価値部分を農業内部に取り込むことが、地域の雇用と所得の確保、活性化につながる。いま都会の人は自然や景観、農家の手作りの温(ぬく)もりを求めている▼「われ住むところわが都」。農家の人々が誇りを持って暮らしている地域に、都会の人は魅力を感じ引きつけられるのではないか。そんな想(おも)いをしながら帰ってきた。

 [2009-10-9]