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外国人材の受け入れ拡大 就業環境・生活支援体制の整備を

 一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人材の就労を目的とした在留資格の創設を盛り込んだ「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)が6月に閣議決定した。今後、政府が業種別の受け入れ方針を決定するが、人手不足が深刻な業種を対象とし、農業や介護、建設、宿泊、造船での適用が想定されている。早ければ2019年4月にも新制度の適用が開始される。
 新設される在留資格は「特定技能(仮称)」で、在留期間は通算5年以内。人手不足が深刻な業種の期待は高い。
 農業分野で見れば、技能実習制度や国家戦略特区での外国人材の受け入れに、今回の制度が加わることになる。
 技能水準は受け入れ業種で適切に働くことができること、日本語能力水準はある程度日常会話ができることなどが条件とされ、試験などで確認する。技能実習2号(3年)や3号(5年)修了者は試験を免除されるため、技能実習からの移行がベースになりそうだ。3号修了者がこの制度を利用すれば最長10年の在留が可能になる。実習生にとっては活躍の場が広がり、農業者にも歓迎されるだろう。
 政府は移民政策とは異なるものとし、家族の帯同は基本的に認めない。ただし、在留中に一定の試験に合格するなど、より高い専門性が認められた場合には、現行の専門的・技術的分野の在留資格への移行を認め、在留期間に期限をつけず、家族帯同を認めることを検討するという。
 しかし、制度が整備されても求めるような外国人材が農業分野で十分に確保できるとは限らない。国内の他産業も人材不足は深刻であり、韓国や台湾など他国でも外国人材の獲得が進められている。
 国内農業が就業先に選ばれるには、受け入れる人材の賃金も含めた就業環境の整備が重要だ。政府レベルの取り組みに加え、日本で生活するための地域レベルでの支援体制の整備も重要課題になる。

 [2018-7-20]