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農高生と夏休み 進路実現に向けしっかり対策を

 全国の農業高校が夏休みに入った。生徒たちには「平成最後の夏休み」を、ぜひ有意義に過ごしてもらいたい。だがまずは、「平成30年7月豪雨」の犠牲者に弔意と復旧ボランティアに参加する高校生に敬意を表したい。
 夏休みが終わると、来春卒業予定者の就職活動が本格化する。今月から企業の学校への求人申し込みが開始。9月16日には企業による選考開始・採用内定が始まる。就職戦線は空前の売り手市場。夏休み期間中に、情報収集を入念に行い、自分に合った就職先をじっくり選んでもらいたい。
 進学希望者も頑張り時だ。推薦入試に向け、小論文演習や面接練習に取り組む姿が多くの農業高校で見られる。3年生にとっては、まさに「夏休みを制する者が、就職・進学を制する」というわけだ。
 近年の農業高校卒業生の進路は、文科省の統計によると5割強が就職、4割強が大学や短大、専修学校などに進学。就職先は一昔前と違い、地元の農業法人や食品企業が増えているほか、料理や装飾、動物関連など多岐にわたる。
 1989年以降の学習指導要領の改訂により、農業高校で、地域に根差した実践的な授業や、バイオテクノロジー、フラワーアレンジメント、ペットなどに関する科目設定が可能となって学習内容の多彩化が進んだこと、さらに生徒が自分で課題を設定して解決していくプロジェクト学習(PBL)に注力してきた成果が、農業高校生の進路選択に幅をもたらしている。
 文科省は17日、全教科での「主体的・対話的で深い学び」を柱に、2022年度の新入生から実施する高校の次期学習指導要領解説書を公表した。農業科では地域や社会の発展を担う職業人の育成に向け、PBLの実践を位置づけた。教員の多忙化など現場課題もあろうが、深い学びの学習が実践され、農業高校生の多くが、優秀な職業人として輩出されることを期待する。

 [2018-7-27]