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低迷する食料自給率 豊かで多彩な食を次の世代へ

 雲一つない空。日差しは痛いくらいに照りつける。セミの声が幾つも重なって、夏まっさかりを知らせる。
 農作物も夏野菜を中心に実りの多い季節を迎える。ピーマンやナスにトマト、スイートコーンやスイカなど、彩り豊かな食材が夏の食卓を華やかにする。
 四季に合わせて旬の食材をいただく、こんな幸せがこれからも続いてほしいと思う。
 日本の食料自給率は約4割。残りの6割を海外からの輸入で補う。統計の取り方や考え方(カロリーベース、生産額ベース)でさまざまな意見があるが、多くの食料を海外から輸入していることは事実である。そして微増、微減を繰り返し、総じて低下し続けているのも事実である。
 農林水産政策研究所が2014年に発表したデータによると、2010〜2050年の40年間で山間農業地域の人口は現在の3分の1に減少し、半数が約65歳以上となる。平地農業地域でも人口が約4割減少し、高齢化率が40%を超える。また近年、河川が氾濫するほどの豪雨や、国内観測史上最高気温を更新する猛暑など、経験のない気候変動が多発。農業・農村へも影響を与えている。
 食料は国家の根源であり、唯一無二の替えの利かない大切なものである。食料を都市部へ供給してきた農村の衰退は、国家の衰退へとつながる可能性をも含むことになる。
 次の世代にも豊かで多彩な食をつなげたいと心から願う。同時に、農業・農村を守り育てる仕組みを国民自らが構築していかなければならないと強く感じる。
 夏休みには帰省をして農村や田舎に触れる人も多いはず。ぜひとも、5年、10年、20年後、誰と一緒に何を食べたいかを考えてみてほしい。きっと自分の大切な人とのおいしい食事を思い描くはず。
 そのためにはどんなことが必要か。今年はそんな事を考えてみる夏を過ごしてみてはどうだろうか。

 [2018-8-3]