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都市農地貸借法 都市農地守り、都市農業者育成を

 「都市農地の貸借の円滑化に関する法律」が1日に施行された。6月に成立、公布されていたが、早々に施行された。
 同法は、農地法の法定更新などが適用されない仕組みで、生産緑地の貸借を可能とするものであり、貸借しても相続税納税猶予の適用は継続される。これまで実質的に困難だった都市農地の貸借を文字通り円滑化するものだ。都市農業の担い手も高齢化が進んでおり、転用せずに農地としての活用を進めていくためにも早急な周知が必要だ。
 この法律の特徴は、農地法の要件に加え、生産物のおおむね半分を地元で販売したり都市住民に農作業体験を提供するなど、都市農業の持つ多面的機能を発揮する取り組みを行うことや、農産物残さや農業資材を放置しないなど周辺の生活環境と調和のとれた農地利用を確保することを要件としていることだ。貸借の計画を認定・決定する市町村・農業委員会は新たな判断が必要となる。適正な事務実施に向けた研修が各地で進められているところであり、万全な対応を期待したい。
 また、この法律による貸借は、生産緑地所有者が「農林漁業の主たる従事者」(=借り主)の年間従事日数の1割以上の日数分、農地や周辺の見回りなどに従事していれば、「農林漁業の主たる従事者」の1人とされるため、所有者に相続が発生した場合でも生産緑地の買取申出が可能となる。不測の事態を懸念する所有者も安心できる仕組みだ。
 この制度を活用すれば、都市農地の貸借だけでなく、これまでは「生産は個人、販売は法人」で行って来ざるを得なかった都市農業経営の法人化が可能となる。都市農業の新たな経営スタイル、ビジネスモデルの夢も広がる。
 農業委員会組織としても、この法律も活用しながら、貴重な都市農地を守り、より多くの意欲的な都市農業者を育成していこう。

 [2018-9-28]