カテゴリータイトル

主張

すべての記事を読む

農業者年金 豊かな老後に備え、加入に一考を

 豊かな老後を支える公的年金制度として、農業者のために用意されている「農業者年金」。少子高齢化時代の到来を先取りし、2001年に現在の制度に生まれ変わり、経済社会情勢が変化する中でその魅力は一層増している。
 わが国の高齢化率は、人口がピークだった2004年に19.6%であったが、2016年時点で27.3%に上昇。今後も上昇し続けると予想されている。高齢になっても医療や介護を必要としない「健康寿命」も続伸し、平均寿命も男性が81歳、女性は87歳と、医療の進歩などにより平成の30年間でそれぞれ5歳程度延びている。一方、年金を納める現役世代の人数は減少し続けている。
 農業者年金の財政方式は「積立方式・確定拠出型」。加入者自身が積み立てた保険料とその運用益を老後に切り崩しながら受給する仕組みだ。国民年金や厚生年金のように、現役世代と受給世代の比率が変わると保険料負担の増大や受給額の削減が必要となる「賦課方式」とは異なり、加入者・受給者数の変化に影響を受けにくい財政的に安定した制度である。一生涯年金を受給できる「終身年金」で、支払った保険料が全額「社会保険料控除」の対象になるなど、多くのメリットがある。経営状況にあわせて、保険料額を変更することができることも魅力だ。
 農業委員会組織では、20歳から39歳までの基幹的農業従事者に加え、本年度から初めて女性農業者の具体的数値目標を定めて加入推進活動を展開している。とりわけ若い頃に「老後の備えを」と言われてもピンと来ず、今の生活のやりくりだけで精いっぱいという方も多いだろう。しかし、わが国がおかれている情勢のもとでは、国民年金だけでは豊かな老後生活を望むことは難しい。
 「人生100年時代」の到来と、自身そして家族の豊かな老後生活に備えて、「農業者年金」は一考の価値がある。

 [2018-11-9]