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農政解説

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老朽化進むため池 急がれる補修・改修 政府「国土強靱化基本計画」改定へ

 豪雨災害が頻発した今年、老朽化が進むため池の危険性が再び表面化した。平成30年7月豪雨では32カ所のため池が決壊し、広島県福山市では決壊による土砂災害で3歳の女児が亡くなった。政府は年内にもまとめる「国土強靱(きょうじん)化基本計画」にため池対策も盛り込み、補修や改修を進める。下流域の住宅などに影響を与える恐れのある防災重点ため池の基準も近く見直す方針だ。

 瀬戸内地域を中心に西日本の広い範囲に大きな被害をもたらした平成30年7月豪雨では、32カ所のため池が決壊した。このうち3カ所が下流域の家屋などに被害を出し、1カ所では死亡事故につながった。
 農水省は急きょ7月中旬からため池の緊急点検を地方自治体などに指示した。その結果、次の豪雨や台風に備えて応急措置が必要なため池が、36府県1540カ所で見つかった。
 今回の緊急点検で危険が確認されたため池は、広島が534カ所、岡山が244カ所、兵庫が183カ所など瀬戸内地域に集中した。同地域は年間を通して降水量が少なく、全国に20万カ所あるため池の11万2千カ所(56%)が集まる。農業用水としての利用はもちろん、景観や生物多様性でも地域に貢献してきた。

写真説明=平成30年7月豪雨で決壊したため池(広島県三原市)

 [2018-11-9]