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税制改正 農地の譲渡所得税の特例が拡充

 2019年度の与党税制改正大綱が取りまとめられた。
 今般の税制改正に当たって農水省は、農地中間管理機構法の施行後5年後見直しに関連し、農地を譲渡した場合の所得税について、2千万円の特別控除の新設を求め、認められた。
 近年、農地の利用集積の推進は、農地中間管理機構事業の活用をはじめ、賃貸借を中心に進められてきた。一方、北海道の利用集積は所有権移転が中心であり、また、その他の地域でも離農や地権者の負債整理などに伴う所有権移転も少なからずあったことから、現場から所有権移転による農地流動化策についても、車の両輪として拡充を求める声が上がっていた。今回はその要望が実ったもので高く評価したい。
 農地の譲渡にかかる所得税については、農業委員会によるあっせんや利用集積計画によるものが800万円、農地中間管理機構などの買入協議によるものが1500万円とそれぞれ特別控除があるが、北海道など大規模経営者の離農に伴う所有権移転では、現行の特別控除額の枠では収まらない場合が多く、大幅な引き上げを求める声があった。
 今回の特別控除の引き上げは買入協議よりも500万円の拡大となり、不足感もあろうと思うが、2千万円の特別控除は特定土地区画整理事業のために譲渡した場合と同水準。不同意者の土地も含めて権利移動するという極めて強い権利制限に伴う譲渡と同水準まで枠が引き上げられたということを深く認識する必要があるだろう。
 この特例を活用するためには、農地中間管理機構法の施行後5年後見直しに関連した、地域の話し合い活動の強化や担い手への集積を図るためのハードルが課されるという。詳細は追って明らかになるはずだが、農業委員会関係者のコーディネート活動を強化しながら、周知と活用を図っていく必要がある。

 [2018-12-14]