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日EU・EPAの影響(下) 国産チーズ 成長妨げぬ対策求む

 前回の日本ワインと同様に不安の声が強いのが国産チーズだ。2017年度の国内のチーズ工房は306カ所と、7年前の倍。ナチュラルチーズの生産量は2016年度に過去最高の2万4千トンを記録した。各地で特色ある商品が生まれている中、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)が発効するとEU産チーズが安く出回り始める。現場の酪農家の不安を払拭する対策や、競争力向上への取り組みが求められている。

 北海道富良野市の生乳は道内でもトップクラスの品質の良さで、長年市民に愛されてきた。そのおいしさを凝縮したチーズを売り出すのが「富良野チーズ工房」。工場見学や乳製品作り体験ができる人気の観光スポットとして親しまれ、年間23万人が訪れる。
 5種類のチーズを製造し、定番のカマンベールと看板商品の「ワインチェダー」を主力とする。ワインチェダーは地元産の赤ワインを混ぜ込んでいて、紫のマーブル模様が特徴。他にもイカ墨を練り込んだ黒いチーズの表面を白カビで覆った「セピア」など、ユニークな商品がある。
 原料乳は市内約20戸からホクレン経由で仕入れる。2017年度は生乳186トンをチーズ用とした。搾りたての味を最大限に生かすため65度30分間の低温長時間殺菌を採用し、乳脂肪の均質化はしない。「できる限り手は加えず、素材の良さを壊さないようにしている」と、工房を運営する(株)ふらの農産公社の代表取締役専務、山内孝夫さん(62)はこだわりを語る。

写真説明=「富良野の牛乳は抜群に品質がいいからおいしいチーズができるんです」と山内さん(左)。右は三好さん

 [2018-12-21]