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絆で乗り越える 動き始めた「関係人口」づくり 高齢化、人口減少の荒波

 平成を締めくくる2019年が始まった。今年は時代が移り変わる節目の年。大型の経済連携協定の発効や外国人労働者の受け入れ拡大を控え、変化の波は農業と農村にも訪れる。非農家出身の新規就農者や農村部への移住が増えるなど、予兆はすでに始まっている。中でもここ数年は、地域の外に住みながら地域や地域の人たちと関わり合う「関係人口」を生み出そうという動きが盛んだ。少子高齢化、人口減少、過疎化と押し寄せる荒波を人と人の絆で乗り越えようという試みだ。

 関係人口づくりが全国で広がっている。関係人口は地域との関わりで観光以上、移住未満の人たち。地域に住んでいなくても、何らかの形で関わりを持ちたいと思っている人たちだ。地方自治体に関係人口づくりを促す総務省では、従来の交流人口や入り込み客との違いを「一過性ではなく、つながりが続く人たち」と説明する。
 同省の調べでは、2017年12月までに400以上の地方自治体が関係人口づくりを始めた。外に出た出身者、通勤・通学者、ふるさと納税の寄付者など縁がある人を中心に、イベントや地域づくりへの参加を呼びかけ、地域が抱える課題を一緒に解決する応援団の役目を期待する。ほとんどの自治体は移住までは考えず、そのため、これまでよりも参加しやすい仕組みを整えることができている。
 9市町村が導入する「ふるさと住民票」もこうした取り組みの一つ。住民登録していない人でも町づくりに参加して、市町村の外から関わってもらう新たな試みだ。8市町村と民間シンクタンクの構想日本などが2015年に提唱した。導入市町村は登録者に共通のカードを発行し、地域の情報提供や政策決定への参加を呼びかけるなどして、登録者との関係を深めている。

写真説明=関係人口と農業のプラスの関係づくりも始まった(岩手県花巻市大迫町)

 [2019-1-1]