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豊かな自然生かした放牧 本紙主催オセアニア農業事情視察団リポート

 本紙主催オセアニア農業事情視察団は昨年11月、豪州を訪れた。豪州はグラスフェッドビーフの本場であり、豊かな自然を生かした放牧牛の生産が盛んだ。同視察団が訪ねたクイーンズランド州東海岸に位置するボーウェン周辺の農家の中から繁殖肥育一貫の肉牛農家を紹介する。

 豪州大陸の北東部に位置するクイーンズランド州は熱帯気候で、国内最大の農地面積を有する。
 グレート・バリア・リーフにほど近い肉牛牧場の「ウッドランズ」は3千ヘクタールの敷地で500頭を飼育している家族経営だ。牛の品種は熱帯地域に適したブラーマンと粗飼料に耐えるマレーグレイの交配種。視察団に応対した経営者のシャロン・イェンシュさんは「気性がよいため育てやすい」と話す。夏の気温は30度を超え、日差しは極めて強いが、周年終日放牧により、伸び伸びとたくましく成長する。
 飼料は牧草が主体。青草だけに偏ると下痢を起こすため、枯れ草を補助飼料として与えてバランスを取り、飼料にはリンも配合している。綿の実やマンゴーも好んで食べるという。飼料コストは極めて安く、1頭当たり1週間に70セントほどだ。
 シャロンさんは「牧草のメンテナンスを最も重視している」と語る。牧草を育てるには、雨の流失を防ぐことが重要であるため、貯水池や通水溝を整備している。また、環境に配慮して、肥料を大量に投入することはせず、自然に任せて牧草の成長をじっくりと待つ。

写真説明=「雨が降るとすごい勢いで牧草が伸びる」と語る経営者のシャロンさん(右)

 [2019-1-18]