カテゴリータイトル

主張

すべての記事を読む

令和農政の進むべき道 持続可能な地域農業づくりが肝要

 平成にかわる新しい元号が「令和」に決まった。出典は日本最古の歌集「万葉集」で、国書から初めて採用された。
 改元フィーバーのさなか、ふと昭和から平成への改元時が気になって、本紙の平成元年縮刷版を手に取ってみた。平成第1号となった1月13日付1面記事「主張」欄の見出しが目に飛び込んできた。「平成農政の進むべき道」。
 小作農の解放を基軸に開始された近代農政の農地改革での結実と農業基本法の制定までを昭和農政の黄金期に、その後の高度経済成長から昭和の終わりまでを「若齢人口の流出と担い手の高齢化、農業構造改革の遅れ」に苦しむ難局としてとらえ、それを打開する平成農政に「高い思想性と先見性に裏付けられた農政の展開」を求めている。
 本紙は4月26日付で平成を振り返る。そこには「貿易自由化」「市場原理」「競争原理」「規制緩和」といった言葉が踊り、「高い思想性と先見性の裏付け」の要求は、「経済のグローバル化にほんろうされての具現化」という回答記録として残されることだろう。
 では、「令和農政の進むべき道」とはいかなるものか。本紙4月5日付3面記事「深層」欄でも論じているが、キーワードは「地域政策」であり、方向性はその拡充と充実だ。わが国が超高齢・人口減少社会に突入しているからだ。
 少ない農業従事者による農地利用と安定した農産物の生産供給に向け、中山間地支援を中心とした現場主体の「持続可能な地域農業づくり」が農政展開の肝要となる。
 超高齢・人口減少社会は早期の状況回復が不可能なことから、問題を先送りしない迅速性のある政策の実行が求められる。日本の超高齢・人口減少社会は、世界から注目されるほどに類を見ない速さで進行中だ。農業関係者の英知の結集による的確な対応は、世界への「日本型農政モデル」の提示にもなり得る。農政新時代の到来を期待したい。

 [2019-4-12]