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【NEWS そこが知りたい】産地パワーアップ事業見直し 成果目標の幅が広がる

 農水省は昨年度の補正予算から、産地パワーアップ事業を見直した。地域で達成を目指す成果目標に「労働生産性の10%以上向上」が追加され、産地の選択の幅が広がった。従来の目標では達成が難しかった地域にも裾野を広げる狙いだ。
 同事業は環太平洋連携協定(TPP)対策の目玉の一つとして創設された。農業者などの関係者全員で作成した「産地パワーアップ計画」を都道府県が認定し、高性能機械の導入や施設整備、高収益作物への転換などを後押しする。
 産地パワーアップ計画は、いわば地域営農の設計図。計画で求められる成果目標には▽生産・集出荷コストの10%以上削減▽販売・所得額の10%以上増加▽輸出向け出荷量・額の10%以上向上――などがあり、いずれかを選んで目標数値を書き込む必要がある。
 こうした成果目標の項目に対し、「地域によってはハードルが高い」との指摘が出ていた。特に、先進的な産地でその声が強かった。すでに一定の規模拡大や販路の確保などを実現している場合、さらなるコスト低減や販売額増加は難易度が上がるためだ。
 労働生産性は販売額を労働時間で割って求める。つまり、作業能率アップや省力化などによる労働時間の削減が生産性向上に直結する。同省は「どのような取り組みの産地でも使いやすい」と説明する。
 同省は昨年度の2次補正予算で同事業に400億円を確保した。生産性向上に役立つ情報通信技術(ICT)やロボットなど先端技術の導入に優先枠を設け、積極的に支援していく。
 同事業ではこの他、中山間地域の体制整備に対しても優先枠を設定している。優先採択されると面積要件が撤廃され、上限事業費が通常の1.3倍となる特例が受けられる。
 優先採択を受けるには、市町村が中山間地域所得向上支援対策に基づいて作成した計画が必須。この計画には「販売額の10%以上の増加」か、「生産コストや集出荷・加工コストの10%以上の削減」のいずれかの目標を書き込む必要がある。

 [2019-4-19]