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動き始めたスマート農業(4) ドローン 完全自動で散布可能 東京・ナイルワークスが販売

 人が操縦することなく、自動で農薬肥料散布可能なドローンが開発された。(株)ナイルワークス(東京都、柳下正洋社長)は6月、完全自動飛行の農業用ドローン「Nile―T19」を販売する。水田農業における大幅な省力化、軽労化が期待されている。
 同機は圃場の形をタブレットに登録するだけで飛行経路を自動で作成。肥料や農薬の散布時に開始ボタンを押すだけで離陸から散布、着陸までを完全自動で飛行する世界初の機体だ。携帯電話の電波を利用して、インターネットに接続することで高精度の移動を実現している。
 機体には高精度カメラを搭載。飛行中にリアルタイムで作物の生育状態を30〜50センチ上から撮影できる。稲の状況に応じて最適量の農薬、肥料量を散布する技術も開発中だ。使用量の削減に加え、収量増が期待できる。紋枯病であれば株元に、いもち病であれば上部に、といった具合に散布箇所も自動化できる予定だ。
 最大で8リットルの薬剤を搭載。1ヘクタール15分で散布できる。特別な操縦スキルは必要ない。誰が作業しても同様なため、作業効率が上がる。プロペラは上と下で逆回転。下向きの強い気流を作り、ドリフトが少ない。
 安全性も高い。ドローン内のコンピューターが飛べる場所か飛べない場所かを判断。全国農地ナビに登録している農地以外の場所を飛ぶことが出来ないようプログラミングされている。万が一、トラブルが起きたら、その場に停止。そこで初めて人が介入し、スタート地点に帰還させるか、その場で着陸させるかを選ぶことができる。
 同社は昨年夏、全国各地で約75回の試験を実施した。販売価格は約550万円を想定。今年は関係先を中心とした販社から100機の販売を予定している。柳下社長は同期の使用による省力化と農薬・肥料の散布量減により「30へクタール以上の水稲農家であれば投資は2年で回収できる」と見込む。

写真説明=進むのは前方のみ。後進できないことも安全性を高めている

 [2019-4-19]