カテゴリータイトル

鳥獣害対策

すべての記事を読む

【ストップ鳥獣害】(169) 2018年度鳥獣被害対策優良活動表彰(3) 農村振興局長賞 千葉・市原市

 千葉県市原市では、100以上の集落が地域ぐるみで鳥獣害を防ぐ活動を実施している。捕獲や被害状況の把握に非農業者も協力。地域ごとに市が任命する「鳥獣被害対策サポーター」がこれを支える。一連の取り組みで、市の鳥獣被害額は2015年度から2017年度までに4割以上減少した。
 被害の7割以上はイノシシによるもの。取り組みの中心となってきた同市有害鳥獣対策協議会の会長の鳥海哲男さん(70)は、「地域ぐるみで対策した集落からはイノシシがいなくなり、被害が激減した」と実感する。
 同市では2009年度から住民による捕獲活動を進めている。2018年度のイノシシの捕獲頭数は3千頭以上。免許が無い住民も、わなの見回り、わなに使う餌の調達、被害や出没情報の報告などで協力する。
 鳥海さんの集落では高齢者世帯を除いた28戸全てが活動に参加する。鳥獣害は地域全体の問題として周囲を説得してきた成果だ。鳥海さんは「イノシシは道路や民家の近くにも出没し、高齢者や子供にとって危険な存在。農業者だけでなく、住民全員の生活を守るために対策している」と話す。
 2016年度からは同サポーターが地域の取り組みを支える。サポーターは長年鳥獣害対策に取り組んできたベテランの住民で、現在は12人が活動。地域の相談役となる他、鳥獣害対策の組織作りのマニュアルを作成するなど、独自の取り組みも行っている。
 マニュアルでは集落の「環境診断」の実施を推奨する。専門家の協力も得ながら、住民とサポーターで鳥獣害の現状を洗い出し、対策を検討するもの。地域を歩いて回って被害状況を書き込んだ地図を作り、具体的な対策を話し合う。それまで無関心だった住民も、被害の現場を目にして危機感を抱き、協力するようになるという。
 同市の農林業振興課は「わな免許取得者などの個人に負担を偏らせず、地域で分担することで、持続可能な取り組みになっている」と話す。

写真説明=環境診断では住民が被害の現場を目で見て、対策の意識を高める

 [2019-4-19]