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日米物品貿易協定 多様な農業、共存できるルールを

 日米物品貿易協定の第1回交渉が米国ワシントンで15〜16日に行われた。
 茂木敏充経済再生担当相と米国のライトハイザー通商代表との協議では、昨年9月の日米首脳共同声明に沿って進めることを確認するとともに、農産品と自動車について議論を開始したとされる。
 この中で、茂木担当相からは、農産品については共同声明に明記されたとおり、過去の経済連携協定で約束した譲許内容が最大限であり日本側として越えられない一線だと強調。米国は、対日貿易赤字の早期解消を示したとされるが、一方で関税削減の利益を受けられない米国農家の不満を早く解消するため、早期の交渉妥結を望んでいることも伺える。
 環太平洋連携協定(TPP)交渉を米国主導で進めたうえで、一方的に離脱した経緯を考えると、TPP11の発効で米国農産品が取り残されて結果不利益を被るのは当然であり、はっきり言って筋違いだ。
 米国は、これまで韓国やカナダ、メキシコとの再交渉で相手国にさらなる譲歩を勝ち取ってきた実績がある。今回の交渉でも、他国との協定と同等以上の成果を求めてくる可能性が無いとは考えにくい。
 わが国としては、米国の思惑におもんぱかることなく、初志貫徹で毅然(きぜん)とした交渉を進めるべきであり、今後の交渉の進展によっては、交渉の情報を積極的に開示し、国民の理解という後ろ盾を得ることが重要である。
 日本の食料自給率は40%を下回っている状況だ。さらなる国際化が進む中、わが国農業の衰退は断じてあってはならない。そのため、将来にわたり多様な農業の共存が図られる貿易ルールを米国に求め続けるとともに、自由化で影響を受ける農家の支援については長期的な視点に立った制度・施策を展開することが必要である。

 [2019-4-26]