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FRONT LINE 東京・大田市場で最高値の大玉トマト 佐賀市 JAさが光樹トマト部会

 東京・大田市場で最高値で取引される大玉トマトが、佐賀市でつくられる「光樹トマト」だ。市場の評価だけに甘んじず、ネット販売で知名度を高め、全国の有名レストランで「光樹トマトフェスタ」を開くなど、独自の販売戦略でブランド力を維持する。
 光樹トマトは、JAさが光樹トマト部会の登録商標。「太陽の光をいっぱいに浴びた光り輝くようなトマトの樹」という意味で、佐賀市川副町のトマト農家12戸が、県の特別栽培基準で栽培する。
 同地は有明海沿岸の干拓地で、土壌にミネラル分が多く含まれる。水位が高く粘土質で、10月の定植から4月までは給水せずに糖度を高める。低温でじっくり生育させ、結果期間を長くする。収量は通常の半分の10アール当たり8トン。これを厳選し、「光樹トマト」で出荷するのは6割ほど。糖度と酸味のバランスが良く、旨みと滑らかな食感がある。
 9割は大田市場に出荷し、卸最大手の東京青果を通じて首都圏のスーパーやデパートと取引する。価格は通常の3倍のキロ700円ほど。日本最大の青果市場で、文字通り「日本一」の値がつく大玉トマトだ。
品種は、市場から要請された「サンロード」。当初から他産地より1箱(4キロ)200円ほど高かったが、品質にこだわり収量も少ないため市場側と協議。「ぜひつくって」と懇願され、徐々に高値で取引されるようになった。
 転機は2011年の東日本大震災。販促イベントも次々と中止になり、取引量が落ち込んだ。当時は知名度も低かったため、取り組んだのが「知って、食べてもらう」戦略。Webを開設してネット販売を開始。2013年からは全国各地の有名レストランに呼びかけ、4月に光樹トマトを使った料理を出す「光樹トマトフェスタ」を開催し、毎年15店舗ほど参加する。部会長の江島政樹さん(39)は「素材にこだわりを持つシェフの後押しが、高い評価につながっている」と話す。
 4月の一番いい時期の1週間に収穫した糖度10度以上の「極光(オーロラ)トマト」の販売や、香港への輸出も始めた。

写真=「新しいメンバーが入ってこれるよう開かれた部会にしたい」と話す江島さん

 [2019-5-10]