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働き方改革関連法 農業も働き方改革は待ったなし

 働き方改革関連法が4月に施行された。主な内容は、時間外労働の上限規制の導入や年次有給休暇の5日間の取得義務化、「同一労働同一賃金」の実現等が柱となっている。人手不足を背景に、優秀な人材を確保しようと企業の取り組みは積極的だ。
 一方、今回の法改正で農業は蚊帳の外に置かれた。天候などの自然条件に左右されやすいため、労働時間や休憩・休日の規制は労働基準法でも適用除外とされている。家族農業なら少々の長時間労働は許されるかもしれない。しかし、農業法人で働く従業員には「農業だから仕方ない」では済まされないだろう。
 農水省は農業法人を2023年までに5万経営体に増やすことを政策目標に掲げている。事実、2005年に1万9千経営体だった農業法人数は2015年に2万7千経営体と、10年間で8千経営体増加した。新規雇用就農者も2015年から3年連続で1万人を超え、サラリーマンで農業をする形が定着しつつある。だからこそ、農業分野における労働時間のあり方も再検討をする時期に来ているのではないか。
 (株)マイナビが2020年に卒業予定の大学生を対象に実施した就職意向調査によると「行きたくない会社」の上位は、「ノルマのきつそうな会社」34.7%、「暗い雰囲気の会社」28.5%、「休日、休暇のない(少ない)会社」24.9%となった。「残業が多い会社」をあげる大学生も14.8%おり、労働時間や休日等、自分の時間を作りづらい会社は敬遠される結果となった。
 農の雇用事業は2019年度、応募要件に「働き方改革実行計画」の記載を義務化した。これは農水省の肝いり施策で、生産性の向上と従業員の確保・定着を目指すため、取り組み内容と達成目標を宣言するものだ。一部法律に先行した取り組みだが、深刻な人手不足の農業分野だからこそ、働き方改革による就業環境の改善は避けて通れない。

 [2019-5-17]