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地域資源を守る

 岩手県下の漁協を訪ねた。漁業の地域資源の守り方には、学ぶところが多かった▼農林漁業は、自然の一部を労働の対象にして生産を行う。有限な自然の生産力を利用しながら保全し、保全しながら利用する必要がある▼漁業の場合、漁業者が慣行的に共有している漁獲する権利を行使する方法、つまり海域・地先という自然の一部の利用を共同で管理・規制することで自然・漁業資源を守ってきた。漁協が共同の漁業権をもち、組合員が漁業権の行使権をもつ。漁業権を行使できる者を組合員に限ることで、有限の自然資源の収奪を防いできた▼この地区のアワビ・ウニ・ワカメなどの採捕は、舟から箱眼鏡を使い、長い竿(さお)の先にカギや鎌を付けて行う漁法で、それも漁期内の「口開け日」の年間数日に限られる。漁期や漁法の規制で、有限の自然資源を維持・保全してきた▼もうひとつ、漁協女性部などの植林運動がある。海では植物性プランクトンが魚介類を育てる。植物性プランクトンは、窒素などの養分で育つ。窒素を体内に取り込むには、鉄分が必要だという。水溶性の鉄分は、腐葉土の中にある。川の上流に広葉樹林が必要だ。そこで、植林運動▼学ぶべき地域の自然資源の守り方がここにある。

 [2009-12-11]