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高齢化社会に役割大きい農業

 日本の高齢化のスピードは尋常ではないらしい。老年学の権威、東大の辻哲夫教授は、海外の学会などで極端に頭でっかちになったその人口ピラミッドを見せるとそれだけで驚きの声があがるという。日本はこの先どうなるのかと▼辻教授によると、青壮年時の健康状態を維持したまま臨終を迎えられる人は約1割で、残りは年々虚弱になり認知症なども増える。超高齢社会ではそうした弱者層を含めどう共存していくかが課題だ▼1つは労働。長寿社会では単に稼ぐだけでなく、生き甲斐(がい)就労が大事になる。それと食べること。弱者となっても充実した生活を送るには三度の食事をきちんと摂ることか欠かせない▼医療も変わる。病院は高度な治療が必要な場合だけかかるものへと変わり、日常の診療や介護は家庭医やグループホームが受け持つ。最期も病院のベッドではなく、自宅や専門の施設で迎えるのが普通になる▼こうした社会の変化は主に都市で起こるが、農村にも波及する。辻教授はそこでは農業が大事な働きをすると言う。田畑で作物を育てる営みが超高齢社会という未知の世界でも大きな役割を果たす。農に携わる者の誇りがまた増えた▼大地は今号で休載となる。長きにわたるご愛読に感謝!

 [2010-3-26]