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絵に描いた餅

  ▼燃油や飼料などの生産資材価格高騰の影響で、農家が廃業する話が、あちこちから入ってくる。「農業をやめる家族会議をやっているから直ぐ来てほしい」――今夏、北海道のある農業委員会の会長さんが受けた電話だ。燃油の高騰で経費倒れの施設野菜農家からの相談で、後継者の息子が農業に見切りをつけたからだ。農地の借り受け農家からも、今年限りで返したいという相談が相次いだ。規模拡大してきた担い手農家ほど、苦しい状況だという。

  ▼九州のある地域では、酪農家など40戸が廃業に追い込まれ、債権回収会社から農地などの処分を迫られている。農地の競売が増えているという。酪農家の廃業や減産は、生乳生産量を減少させ、牛乳・乳製品不足の恐れも出てきた。生産者団体は乳価の引き上げを訴えている。

  ▼政府は、生産資材価格高騰の緊急対策を補正予算で手当てするといっているが、実施のめどは立っていない。ご存じの通り、福田康夫総理が政権を放り出したからだ。早急な対策の実施が必要だ。

  ▼今、農業に汗を流し、歯を食いしばって営農努力してきた農家を守らなければ、自給率50%は絵に描いた餅だ。企業参入だ、「平成の農地改革」などという前に、農産物価格水準の全体的引き上げによる収益性の改善と農家の経営所得の安定を、一刻も早く実現することが先決だろう。農業生産に励む人々の努力が報われる政治を、国民の手で創り出さねばならない。

 [2008-9-26]