カテゴリータイトル

大地バックナンバー

すべての記事を読む

大地

▼人間というものは、自然と寄り添いながら、土(大地)や海などの自然を労働の対象にしてきたものだと、つくづく感じる。長谷川櫂著『国民的俳句百選』(講談社)を読んでの感想である▼だが、その人間の営為によって、自然(地球)は大きく痛んできた▼青森・八戸市にある漁協の組合長と宴席を共にした。アルゼンチン沖の南極の近くで、イカを漁獲している船団があるという。ところが近年、そのイカが獲れないのだという▼漁協組合長も不思議に思い、なぜ獲れないかと聞いたら、「水がきれいだから」という答えだったという▼なぜ、アルゼンチン沖の海水がきれいなのか。南極の氷が解けているからだという。氷の解けた冷たい海水が、オキアミなどのプランクトンの生息を困難にしている。えさが減って、イカは他の場所に移動してしまった。「地球温暖化のせいでしょうね」と組合長は言った▼アルゼンチン沖の海水は、底が見えるくらいに深くまできれいなのだという。「おそろしいね」と組合長はつぶやいた▼もう一度自然を見つめ直すこと。その上で、自然との共生をさぐること。そうした営為が必要だ。

 [2008-12-5]