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 WTO(世界貿易機関)農業交渉の年内合意は先送りされた。日本では、関税削減問題が注目されたが、米国やインド、アフリカなど途上国にとっては農業補助金削減問題が最大関心事だ▼米国の綿花への補助金は総額30億ドル(05年実績)。これを83%削減し、5億ドルにするのがWTO議長案だ。米国はこれに猛烈に抵抗。インドは、米国が農家に多額の補助金を出し、低価格で輸出しているから綿花の国際価格が低迷し、途上国農民の貧困を招いていると攻撃する▼そもそも、米国の綿花補助金は3年前にWTO紛争処理委員会で「協定違反」の裁定がくだされている。米国はこの裁定に従うことなく、今も出し続けている▼この米国のしたたかさに比べ、日本は情けなくなるほどバカ真面目に生産刺激的な補助金(貿易歪曲的国内支持で内外価格差も含む)を削減してきた。4兆円の枠を認められているのに、実績は5700億円どまりだ▼今回の交渉で日本は、4兆円枠を輸出国並みに70%削減される。世界一の食料純輸入国として、生産を刺激する農業補助金の削減には応じられないと、なぜ主張できないのか。補助金枠を削減され、自給率50%の目標をどうやって実現するのか。

 [2008-12-19]