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耕作放棄地対策

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耕作放棄地解消活動優良事例〈2〉

全国農業会議所会長特別賞 富山県小矢部市農業委員会
発生防止に会長率先
 富山県の小矢部(おやべ)市農業委員会(米田淳一会長)は、活動の柱に『耕作放棄地の発生防止』を掲げ、会長自ら率先して指導。農業委員のほか耕作放棄地対策専任の嘱託職員を配置して体制を整備している。
 同農業委員会は、市の耕作放棄地対策協議会の事務局として活動する傍ら、以前からJAや土地改良区など関係機関と連携して、圃場(ほじょう)整備にも積極的に取り組んでいる。その結果、一部の中山間地を除き、圃場整備率はほぼ100%となっている。また、集落営農組織と中核的な農業経営者の育成にも尽力。「地域の農業を集落全体で守っていく」―。そうした取り組みが実を結び、以来、農地の集積率は62%に達し、3474ヘクタールの全耕作地面積のうち耕作放棄地はわずか0.2ヘクタール。特に耕作放棄地の発生防止に力を入れてきた。解消面積で見ても2007年から11年の通算4年で8.2ヘクタールの耕作放棄地を解消した。
 耕作放棄地の解消にあたっては、(1)放棄されていた棚田を学童による赤カブの栽培、草刈り、播種(はしゅ)、収穫、調理や学校給食への活用など食育の実践に資するよう、農業委員が企画・指導する、(2)10年以上放棄されていた耕作放棄地を農業委員の仲介努力で解消するなど、農業委員の活動が大きく貢献している。栽培作物は、新規の薬用植物、水はけの悪い水田にはハトムギ、さらには飼料用米の栽培で転作田の不作付けを改善するなど、適地適作で耕作放棄地発生防止対策を軌道に乗せた。
 さらに07年から農業委員の地区担当制を実施。農業委員自らが地区の遊休農地を回り、一筆ごとに農地を確認するなど農地パトロールの強化を図った。こうした取り組みによって、農業委員の意識変革をもたらし、これまでの事務的なパトロールから地域の声を聞くための活動へと変化。より迅速できめ細やかな対応につながった。
 「耕作できなくなった農家が発生しても、農業委員会と関係機関が連携し、地区組織に農地を預けることで耕作放棄地の発生を未然に防ぐ」―。そんな地域と行政が一体となった取り組みは、今後も大きな成果を上げる原動力になるに違いない。

 [2012-5-18]