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耕作放棄地対策

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耕作放棄地解消活動優良事例〈3〉

 第4回耕作放棄地発生防止・解消表彰で全国農業会議所会長特別賞に輝いた香川県東かがわ市農業委員会(=三谷正一会長)は、毎年、農業委員全員で農地パトロールを行い、耕作放棄地全筆を調査、写真撮影してその結果を農地基本台帳に入力・整理している。所有者には文書指導なども行うとともに、毎年1月〜3月を解消指導強調月間と定め、戸別訪問をするなど地道で顔の見える相談指導活動を展開している。
 同農業委員会における耕作放棄地の予防・解消活動の基本指針は『規模拡大農家への農地の利用集積』。同市における利用権設定率は2006年度が88ヘクタール、07年で98ヘクタール、08年度に75ヘクタールと農地利用集積率で20%台を維持し、09年度には107ヘクタールとなった。また、「空き農地情報バンク」事業(インターネット上での農地の貸し付け、売り渡し希望情報の掲載)を活用推進。全国農業会議所の「農地情報提供システム」にリンクして広く公開するとともに市商工会とも連携してPR、利用者を募集して活用に結びつけている。
 その結果、地元企業による3.5ヘクタールの廃桑園の再生と露地野菜の自然栽培に成功した。また、地元集落で農業生産法人も組織する同市農業委員会。三谷会長自らがリーダシップを発揮し、耕作放棄地だった水田1.4ヘクタールを再生させ、麦・大豆の生産も行っている。加えて、中山間地域における耕作放棄地の増加が鳥獣害被害と密接に関係していることから市と連携した効果的「市農作物被害防止対策協議会」を発足し捕獲奨励金の交付、電気柵の購入・助成など耕作放棄地発生防止対策の一環としても鳥獣対策に力を入れている。こうした献身的な取り組みにより、03年から11年までの通算8年間で28ヘクタールの耕作放棄地を解消させた。
 食育活動にも力を入れる同農業委員会。同市の女性農業委員3名が中心となり市教育委員会と連携し、幼稚園児や小学生などにうどんづくりやバケツ稲作り、味噌(みそ)作り教室など開催し、その折、農地の活用や耕作放棄地の問題を説明し、農地、農業への関心を高める努力をしている。
 さまざまな対策を講じながら前向きかつ意欲的に解消活動に取り組む同農業委員会。その姿勢は、今後のさらなる成果につながって行くに違いない。

 [2012-5-25]