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農家の痛みわかる競り人に 長崎県初の女性競り人 平片絵美さん 長崎市

 長崎市の平片絵美さん(22)は今年6月から毎朝、長崎県初の女性競り人として「競り」の現場に立っている。「先輩たちのような公平・迅速な競り」が目標だが、農家出身の絵美さんには「少しでも高く売れて欲しい」との思いがある。そのプレッシャーもあって疲労困憊(こんぱい)の日々を送る。「農家の痛みのわかる競り人」になるのが夢だ。
 午前7時の長崎市中央卸売市場。それまで下見をしていた買参人(ばいさんにん)たちが、小さな踏み台に立つ絵美さんの周りに集まってくる。絵美さんの担当は促成物、モヤシ、カイワレ大根と地場物。むろん1円でも高く付けた買い手に売るのだが、「落とすタイミングが難しい。スピードとリズムが大事なんです」と絵美さん。「上手な人は競り上げていきますが、私の場合は(同じ品物なら)同値で落ちるよう努力しています」と続ける。
 絵美さんは、南島原市で野菜3.6ヘクタール、果樹・水稲を各1.2ヘクタール作る農家の生まれ。農業大学校の果樹専攻に進み、見学で市場に来たとき競り人のカッコ良さに惹かれ、2009年(株)長崎大同青果(加藤誠治社長)に入社。3年後の今年4月には長崎市の資格承認試験に合格した。
 研修のとき農家から「生産者の痛みのわかる競り人になって」と言われたことが耳を離れない。
 そんな絵美さんに同社の冨永正文専務は「平片君は産地に気配りもある。明るくて信頼の置ける競り人になって欲しい」と期待を寄せる。

 [2012-9-14]