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ふっくら、暖か、安価なシルクフィルを開発 日常生活での利用拡大に期待

 みなさん「真綿」をご存じですか。江戸時代に木綿(綿花の種から取れる繊維。コットン)の生産が盛んになる前は、わたと言えば真綿でした。真綿は、蚕の繭(まゆ)から作られています。真綿は白くて光沢があり、柔らかく保温性が高いため、布団や防寒具の中に詰め込む素材として利用され、質の良いものは紬(つむぎ)(絹織物)の原料としても利用されてきました。ところが、真綿はすべて手作業で作るため、手間がかかり、高価な点が問題でした。
◆新たな低コストの絹素材
 そんな中、これまでの真綿に代わる新しいシルクわた「シルクフィル」が開発されました。2千粒程度の繭から一斉に糸を引き出し、枠に巻き取り、薬品で繭糸(けんし)の表面のセリシン(のり状のタンパク質)を取り除き、ほぐしてわたにします。セリシンは水溶性の物質ですので、取り除くことで水洗いができるようになります。これらの製造工程が機械化され、製造コストは真綿に比べて半分程度に抑えられました。

絵・筒井 博子

 [2013-1-25]