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女性農業者

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おいしくやさしい園に 茨城・常陸太田市 本多真弓さん・技研さん夫妻

 茨城県常陸太田市の本多真弓さん(52)は、同い年の夫・技研さん、長男・雅樹さんと約2ヘクタールの観光ブドウ園を営む。巨峰を中心に30種が減農薬栽培され、ほとんどを園で直売。最盛期には1日200人が来園してとりどりの味・色を楽しむ。昨年夏には板倉を改装して多目的館をオープン。モットーの「おいしく、やさしく」に磨きをかけた。2年前の震災・原発事故は当地にも風評被害などをもたらしたが、夫妻には夢の実現までの時間を少し遅らせただけだった。
 真弓さんの前職は小学校の先生。結婚後も続け、仕事として魅力を感じていた。だが2人の子どもが生まれ、母親が入院するなどして、家事との両立が難しくなった。
 「夫は何も言いませんでしたが、いずれは園の仕事をするんだからと、思い切って家に入ることにしました」と真弓さん。30歳の時だったが、いざ夫とブドウ作りを始めると、「農業とはどんな仕事なのか。ここで何ができるのか」と悩んだ。
 転機は脳梗塞で倒れたお客さんがマヒの残る体で再来園したこと。祖父が独自に育成した品種「常陸青龍」を食べて元気を取り戻し、「あのときのブドウはおいしかった」と語った。
 「その方は数年後に亡くなったのですが、その言葉が心に残りました。暑い最中のハウス作業など大変な仕事が毎日あるのですが、頑張る価値のある仕事だと教えてもらいました」

写真説明=剪定の終わったハウス内で

 [2013-3-22]