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大地 自給飼料拡大でピンチをチャンスに

 北方領土の国後島が見える北海道根釧の標津町を訪ねた。約2万頭の牛が飼育される酪農の町だ。7月だというのに、泊まった旅館では暖房が入っていた。例年になく雨の日が多いという▼そのため、いつもは7月10日ごろには終わる牧草の1回目の刈り取り作業が、下旬になっても3割ほど残っている。牧草は水分が多く伸び過ぎた状態だ▼酪農家は一番草の出来具合、その質と量を気にかけている。昨年の配合飼料価格の高騰を、牧草にシフトして乗り切ったからだ。町農業委員会の話では、酪農家の経営状況は前年よりもむしろ良くなったという。濃厚飼料を減らし牧草を多く食べさせ経費を節減した。獣医師から「診療回数が減ったな」と言われるほど牛の故障も減った。このため、1頭当たりの乳量は減ったが、生乳生産量は増えた▼自力で草地更新し収量アップに努めたり、草地を借地・購入する酪農家が増えた。農業委員会は離農跡地のあっせんに苦労してきたが、昨年からは借り手、買い手が見つかるようになったという▼牛は文字通り「草食系」。エサ価格の高騰という危機に対応する中で、自給飼料の大切さと酪農本来の姿を酪農家は再認識。ピンチをチャンスに変えた。天候の回復を祈る。

 [2009-8-7]