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日米経済対話 農業の継続発展 基本に交渉を

 18日、麻生太郎副総理が米国のペンス副大統領と首相官邸で会談し、「経済対話」がスタートを切った。これは、2月に安倍晋三首相が訪米し、日米首脳会談を行った際の約束に基づくものだ。
 ペンス副大統領は、会談後の会見で「環太平洋連携協定(TPP)は米国にとって過去のもの。2国間で交渉していく」「経済対話の結果、自由貿易協定(FTA)交渉を始めるかもしれない」と述べ、日米FTA交渉に積極的と思わせる発言をしている。
 もともとTPP交渉への参加は、財界を中心とする米国とのFTA締結を求める声に対応したものだった。米国が離脱してしまえば、こうした勢力にとってTPPは全く意味のないものになってしまう。米国のTPPからの離脱が確実になってくれば、日米FTAの締結に向けた財界圧力が高まるだろう。
 一方、政府は、米国抜きの11カ国によるTPP発効に向けた動きをみせて米国に揺さぶりをかけるなど、依然、TPP合意の枠組み維持に奔走している。
 TPP合意の際も、国内に大きな衝撃が走った。2国間の貿易交渉になれば、単純に米国の貿易赤字を埋めるための「数字合わせ」の議論にならざるを得ず、農業分野でTPP以上の譲歩を求めてくるのは火を見るよりも明らかだ。政府には慎重かつ、き然とした対応を強く求める。
 翻って、世界貿易機関(WTO)農業交渉でわが国は、「多様な農業の共存」が図られる貿易ルールづくりを標ぼうして交渉を進めてきた。
 農業は世界各地の多様な風土のもとで行われ、土地条件、気象条件など農業経営者の努力だけでは克服できない埋めがたい生産性の格差が存在する。政府には改めて、貿易交渉にあたっては世界各国の農業が継続的に発展できる適切な国境措置を確保していくことを基本とした交渉姿勢を求めたい。

 [2017-4-28]