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人材確保・育成 コミュニケーションが重要に

 新年度が始まって1カ月が過ぎた。新社会人にとっては新しい環境の中で仕事や日々の生活にも慣れてきた頃ではないか。一方、蓄積したストレスから、いわゆる「五月病」に悩む人が増える時期でもある。会社から見れば、せっかく採用した人材が体調不良になったり辞めてしまったりでは大きな損失になるし、本人にとっても「こんなはずではなかった」と心が折れる。会社は社員の業務のスキルアップ研修だけではなく、コミュニケーションを通じたメンタルヘルスケア(精神的健康の管理)にも配慮が必要だ。
 厚労省の「新規大学卒業就職者の事業所規模別離職状況」(2013年3月卒)によると、従業員規模が小さいほど離職率が高いことがわかる。例えば、採用が5人未満の事業所では3年以内の離職率が59%、同5〜29人未満では49.9%が離職している。これは、待遇面の問題もあると思うが、慢性的な人手不足で新人に対する支援に十分な時間を割けないためではないか。
 こうした傾向は農業でも同じで、全国農業会議所の調査(2012年)によると、農業法人の従業員が辞めたいと考える理由は「給与水準が低い」が21.8%でトップ。次いで「独立したい」20.7%、「勤務先に将来性を見いだせない」9.6%など。一方、働き続けるために会社に求めたい内容は「給与水準の引き上げ」29.3%、「能力開発の支援」12.8%、「先輩職員によるフォロー」10.5%などだった。
 こうした状況を踏まえ、農研機構は「農業法人における人材育成のポイント」(2017年)の中で、離職率改善に向けた二つの方向を指摘している。一つ目は給与水準の引き上げ、二つ目は人材育成の充実だ。とりわけ、人材育成は経営者の努力や取り組み次第で成果が出やすい方策と強調する。
 まずはコミュニケーションから。経営者と社員の相互理解が会社を強くするはずだ。

 [2017-5-12]