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改正生産緑地法が施行 都市農業経営の継続・発展へ

 先の通常国会で4月末に成立した「改正生産緑地法」が15日に施行された。
 市区町村の条例改正を経て、生産緑地地区指定の面積が300平方メートルまで引き下げが可能になる。今後、より多くの都市農地を保全していくため、地域の農業者や住民の意向を踏まえつつ、農業委員会としても市区町村に条例改正を求める活動を行っていくことが重要だ。
 今般の改正では、2022年に生産緑地全体の約8割が指定から30年を経過し、いつでも買取申出が可能となる「平成34年問題」に対応し、買取申出の開始時期を10年延長する「特定生産緑地制度」が創設された。いつでも買取申出が可能な生産緑地に相続税納税猶予の継続が認められなくなる恐れがあるためだ。
 わが国の住宅事情は、都市部でも空き家が社会問題になる時代になっている。農地を減らして住宅を増やす時代は終わったといわれているが、2022年を見据え、不動産・建設業界は大きなビジネスチャンスと捉え、営業活動に火花を飛ばしているのが実情だ。
 今後、「特定生産緑地」と、何らかの理由で特定生産緑地の指定を受けない生産緑地に対する固定資産税のあり方が政府で議論されるが、「特定生産緑地」にのみ固定資産税の軽減措置が適用されるとした場合、大量の都市農地が買取申出(=転用)されてしまう可能性がある。2022年に大量の都市農地が転用されれば、地価のみならず借地借家の賃料が暴落し、大量の不採算賃貸住宅が発生する恐れがある。
 都市農地を保全していく最善の方法は、都市農業者が安心して「特定生産緑地制度」や「相続税納税猶予制度」の適用を受けて農業経営を継続・発展させることだ。
 そのためには、行政と団体が一体となった「都市農地を守る運動」の展開と、都市農地の所有者に対するきめ細かい相談に対応する「相談窓口の設置」が必要不可欠だ。

 [2017-6-23]