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収入保険制度 周知含め万全の対応を

 収入保険制度の有資格者になるため、今年の3月に「青色申告承認申請書」を税務署に提出した農業者は少なくないだろう。同制度を盛り込んだ改正農業災害補償法が6月16日に成立した。2019年から実施されるが、農業災害補償制度も見直され、農作物共済は当然加入制から任意加入制に移行する。
 収入保険は、米、畑作物、野菜、果樹、花卉、牛乳、キノコなど、ほとんどの農産物をカバーする。自然災害による収量減少に加え、価格低下などによる収入減少を補償。加入農業者が自ら生産した農産物の販売収入全体を対象とするのが特徴だ。加工品は販売収入に含めないが、精米や荒茶、梅干しなど所得税法上の農業所得として申告されているものは含まれる。国は保険料や積立金への助成や政府再保険により支援する。
 収入減少を補填する農業共済、収入減少影響緩和対策、野菜価格安定制度、加工原料乳生産者経営安定対策など類似制度との選択加入になる。コスト増も補填する制度の対象である肉用牛、肉用子牛、豚肉、鶏卵は収入保険の品目から除かれる。
 来年秋に加入申請が始まる。既存制度と収入保険のいずれかを選択しなければならず、自身にとってメリットが大きいのはいずれか農業者が悩むところだ。制度実施主体となる農業共済団体が新設する全国組織がタブレットなどを活用し、それぞれの制度を比較できる仕組みを来年夏までに整備する。制度の周知を含め、現場が混乱しないよう万全の対応を国に望みたい。
 複式簿記による青色申告では65万円を所得から控除できるほか、専従者給与を必要経費に算入できるなどメリットが大きい。簿記に取り組むことで経営状況を客観的に把握でき、資金繰りなどが容易になる。制度の別に関係なく、青色申告の届け出をした人には、経営改善の観点から複式簿記を始めてほしい。

 [2017-7-7]