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農政の動き

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食農耕論 イタリアの稲作技術はすべて直播 農研機構東北農業研究センター 笹原 和哉

労働力不足を背景に省力化進む

 イタリア北西部には低湿な平原があり、20万〜25万ヘクタールという、日本の関東地方の水稲作付面積に匹敵する一大コメ産地となっている。欧州連合(EU)内で生産されるコメの約半数はイタリア産で、長粒米から日本食になるコメまでも生産され、生産量の3分の2はEU内や中東、米国など各地に輸出されている。イタリア人の主食は小麦であるが、コメを主にリゾットとして消費する。
 イタリアの稲作は1960年代に、移植栽培から直播栽培へ転換した。これは当時の労働力不足がきっかけで、現在でも農業経営者は省力化に対する意識が高い。稲作経営の平均経営面積は50ヘクタールを超え、圃場1筆は標準で2ヘクタール、中には5ヘクタール以上の区画もある。機械作業の際には、効率を重視し、1筆ずつ圃場を出入りせず、畔を乗り越えて次の圃場に移り、数筆をまとめて行う。

 [2017-8-11]