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新規就農者調査 経営継承の着実な進展を

 毎年このまま増えていってもらいたいそんな期待を抱かせる調査結果となった。
 農水省が8日に公表した2016年の新規就農者調査によると、新規就農者は6万150人で、2年連続の6万人超えとなった。49歳以下は2万2050人で、2007年以降では前年に次ぎ2番目に多く、3年連続で2万人を超えた。
 この好調をけん引するのが農業法人などに雇用された「新規雇用就農者」。1万680人で前年比250人の増加。2007年以降で最多となった。
 土地や資金を独自に調達して新たに農業を始めた「新規参入者」は3440人。前年比でわずか130人減の横ばいとなった。こちらも好調を維持している。
 2016年平均の有効求人倍率は1.36倍と極めて高い水準を記録。調査結果は逆風まっただ中での“大健闘”であり、新規就農者に研修を行う農業法人などを支援する農の雇用事業、就農直後の経営確立を支援する青年就農給付金(現・農業次世代人材投資資金)の着実な施策効果の表れと言って間違いないであろう。
 ただ懸念の現実化も進んでいる。農家子弟で自家農業に就農した「新規自営農業就農者」は4万6040人、49歳以下では1万1410人。前年に比べそれぞれ9.8%、8.9%減少した。
 2015年農林業センサス結果では、販売農家の51%に後継者がおらず、農業就業人口のうち65歳以上が64%を占めている。農業内部での人材供給が細る中での雪崩を打ったリタイヤが目前に迫っている。
 親の経営を引き継ぐ「家族型継承」はもちろん、家族以外の第三者に受け渡す「第三者継承」も含めた経営継承の着実な進展が肝要だ。関係機関による相談体制の充実など、農家が世代を超えて築き上げてきた農地や栽培技術などの有形・無形資産の損失を防ぎ、新たな農業経営の早期定着による地域農業の維持に向けた取り組みが急がれる。

 [2017-9-15]