農業者年金 新規加入者60人で全国1位 茨城・八千代町農業委員会
八千代町農業委員会(小竹節(たかし)会長・73、農業委員16人、農地利用最適化推進委員13人)は、担い手対策の一環として農業者年金の加入推進に積極的に取り組んでいる。2024年度は、新規加入者が60人で、全国第1位の加入者数になった。

県南西部に位置する八千代町は、町東部が稲麦主体、西部は露地野菜を中心とする野菜生産が盛ん。東京から60㌔圏内という利点を生かし生鮮食料供給基地として確立している。
同町農業委員会は昨年9月、改選で新体制となった。昨年度は「地域計画策定など農業委員会業務が多忙であり、引き続き委員を継続してもらえるよう呼びかけていた」と小竹会長。その結果、農業委員16人中9人が留任、3人が推進委員から農業委員に移行した。「経験者が多いことで委員会活動の理解度も高かった」と小竹会長は胸を張る。
特に力を入れたのは農業者年金の加入推進だ。改選直後の10月中旬から1カ月間を農業者年金強化月間と定めた。10月16日には茨城県農業会議主催の会議で「100人の新規加入者をめざします」と小竹会長が宣言。「事前の打ち合わせもありませんでした」と同席していた齊藤武史事務局長も驚いた。
その後、認定農業者250人にチラシを郵送、農業委員会内で作戦会議を2回開き、各委員による戸別訪問を実施した。
24年は、特産の白菜など野菜の価格が安定して良かったこと、米の価格も高かったことから、農業者年金に加入した際のメリットの一つである「税制面での優遇措置」を積極的に説明するよう心掛けた。メリットだけの説明にとどまらず、デメリットについても丁寧に説明した。加入者が増えていく中、口コミで農業者年金制度が広がるなど、意識が高まってきた。
各委員と事務局は、LINEで推進状況を共有。情報を共有することで互いに加入推進の意識が高まった。この結果、農業委員会全体で取り組みが盛り上がり、60人の加入につながった。
小竹会長は「今回の改選で委員経験者が多くいたことで、年金制度を十分把握している委員がいた。また、髙﨑隆会長職務代理者の存在が大きかった。髙﨑代理の理解協力がなければここまで推進できたかわからない」と話す。
「農業者年金は農家にとってより良い制度。制度を知らない農家がいなくなることをめざして周知徹底を引き続き行う」と小竹会長と髙﨑代理は力強く抱負を語った。