人と組織をサポート 農業法人の経営発展を支援 京都府農業会議

 京都府農業会議(草木慶治会長)は、47の農業法人で組織する京都府農業法人経営者会議(山田敏之会長)の事務局として、1997年2月の設立時から運営をサポートしている。
 活動の中心は、農業法人経営者と意欲ある農業者との「交流サロン」や「先進経営見学会」など。今年度は“経営継承”をテーマに開催した。
 交流サロンでは、山田会長が、全国の優良事例や、自身が経営する(株)こと京都の実例を紹介。(1)継承のタイムスケジュールを持つ(2)早期に後継者候補を絞り込む(3)従業員や取引先の理解を得る――など経営継承のポイントを伝えた。参加者からは「すぐに経営継承に取り組みたい」「息子が後継者の資質を持っているか心配だ」など、率直な意見が出された。
 「先進経営見学会」では、祖父が起業し、経営者が3代目となる金属加工業者の(株)最上インクス(京都市)を視察。「先代との役割分担を徹底的に明確にし、従業員や多数の取引先に見せることが大切」など、スムーズな事業継承のあり方を異業種の経営者から学んだ。
 山田会長は「事業継承は、経営者が必ず抱える問題。異業種交流も含め、経営者会議の活動を発展させていきたい」と、意欲を見せている。
 経営者会議では、「新規就農者・若手経営者を励ます集い」を系統的に開催し、次代の経営者育成に力を入れている。
 昨年の新規就農者を励ます集いでは、米や野菜の特長を生かした販路や価格設定など、「利益を確保する方法」を具体的に助言した。今年2月の集いでも、会員法人が「幹部社員の育成」や「JGAPの取得」などをアドバイス。若手農業者の支援にも重点をおいて活動している。

写真上=山田会長が事例紹介した交流サロン

写真下=先進経営見学会では農業法人も視察