明日につなぐ(33) 湖国女性農業・推進委員協議会会長、東近江市農業委員 池田 喜久子さん

2011年に滋賀県東近江市の農業委員となり、現在3期目を務める池田喜久子さん=写真。2013年からは県内の女性農業委員・農地利用最適化推進委員で構成する「湖国女性農業・推進委員協議会」の会長に就任した。協議会では、県や他の女性農業団体と協働して、女性向けの就農希望者の相談活動や農業体験、経営塾などに取り組んでいる。
池田さんは東近江市生まれ。1972年に酪農専業農家に嫁いだ。1997年には牧場の搾りたての牛乳を使用してジェラートの製造販売を開始した。単身でイタリアに渡り、本場の味や作り方を勉強するなど、決断力と行動力を併せ持つ努力家だ。
「当時の会長から声を掛けられて軽い気持ちで引き受けた」のが委員になったきっかけと話す。最初は総会で話し合っている内容が全くわからず、隣席の委員に愚痴をこぼしたところ、「わからんかったら勉強して来い。それでもわからんかったら教えてやる」と言われた。自分の甘さに気付き、必死に勉強するようになった。「いまとなってはその委員に感謝している」と当時を振り返る。
県内では2017年に新体制へ移行した農業委員会が大半を占め、2期目の選任が早くも来年に迫っている。「人・農地プランの実質化」など、地域政策を進めていくためには、農業委員会に女性の力が必要だと意気込む。
本年度は池田さんを中心とした協議会の役員が全市町村を巡回して、首長や会長へ女性登用の促進を要望する予定にしている。自分たちから率先して提案したという。
「私は甘え上手。周りに助けられて自分がある。風が吹いたときにうまく風に乗せさせてもらっているだけ」と持ち前の笑顔と謙虚さを貫く。