2人の女性リーダーけん引 最適化へ両委員一丸 熊本・合志市農業委員会

今年4月、新制度後2期目を迎えて新たに就任した、福嶋求仁子会長(63)と大薮真裕美職務代理者(67)。合志市農業委員会は、2人の女性農業委員がリーダーとなり、農業委員14人と農地利用最適化推進委員22人体制で、農地利用の最適化に取り組んでいる。

合志市は、火山灰土壌で覆われた緩やかな大地に、約2200ヘクタールの農地が広がる。市街化区域や市街化調整区域などが混在し、農家戸数約760戸のうち、約230戸が認定農業者。熊本市の近郊にあり、大型の商業施設やJAなどの直売所が多く、消費者に新鮮な作物を容易に提供できる環境。このため、新規就農者や高齢の農業者など、小規模な経営でも地の利を活かした農業が可能だ。集落営農の法人化に向けた動きや新規就農者、農業参入法人なども目立ち始め、農業委員会としての支援も重要になってきた。
同委員会は、1期目の3年間、農業委員と推進委員の合同会議や、農地利用最適化のワークショップを積極的に開き、スキルアップの研さんに励んできた。2期目となるこれからは、農地利用の最適化の成果を出していく3年間となる。福嶋会長は「集積・集約に向けて、全ての委員が一丸となって実績を上げていきたい」と語る。
まず、新任の委員は農地法や農地の集積・集約などの勉強会を行う。「何をやるのかわからない」と言う新任委員も「なぜ、やらなければいけないのか」を理解し行動する。
次に、学んだことを活かし、実際に地域に入る道筋を作るために、ワークショップを重ねている。

今後は、農業委員会が実際に地域に入り、農地の集積・集約に向けて人・農地プランの実質化を率先していきたいと考えている。福嶋会長は「より良い集積・集約ができれば、農家の経営面積も増え、効率的な作業が可能になる」と力を込め、「地域のために行動し、地域から認められる委員を目指してほしい」と言葉を重ねた。
大薮職務代理者は「農地は目的にあった活用をすることで、耕作放棄地などの防止になる」と話す。「大規模な酪農家や園芸農家も多く、集積・集約が難しい場合もある。作目や農業者のニーズにあった支援も必要だ」と語る。
農業委員歴12年の福嶋会長と同6年の大薮職務代理者。ふたりは「『女性だから』といって特別ではない」と笑い「女性でも男性と同等に、地域農業を守る委員になれる」と力強く声をそろえた。

写真=福嶋会長(右)と大薮職務代理者