明日につなぐ(34) 大阪・柏原市農業委員 山中洋子さん

2014年に大阪府柏原市の農業委員となり、現在2期目を務める山中洋子さん。出身は大阪市で、ブドウの観光農園を営む夫の実家へ嫁いだ。かつて大阪府はブドウの生産が盛んで、市内にもブドウ農家がたくさんあったが、近年は数戸程度になった。5年前に初めて農業委員になったのも、数少ないブドウ農家の代表者として、まわりからお願いされたのがきっかけだったと言う。
これまでの農業委員としての活動を通じて一番感謝を伝えたい人は、農業委員会の文能啓志会長(77)だ。「会長には現場活動も全て一緒にさせてもらい、総会に諮る内容についても勉強させてもらった」と語る。山中さんは1期目から農業委員会の会長代理という重役を務めており、農業委員への女性登用の必要性と責任を感じていると言う。
「府内のいくつかの農業委員会では女性の委員が増えているが十分とはいえない。市の広報誌などで女性の農業委員の活動をPRするなど、若い人にも興味をもってもらうきっかけを作ることが重要だと思う」と語る。
柏原市農業委員会では、毎年8月頃に「ブドウまつり」を開催している。山中さんは積極的に運営などに関わっているが、こうしたイベントも一つのきっかけになればよいと言う。「今後は、ブドウを使った食育活動や料理教室などにも挑戦してみたい」と意気込む。
次世代を担う女性の農業委員には「地域で開催される農業関係のイベントに積極的に参加するなど、人とのつながりを大切にしてほしい」とメッセージを送る。近隣の市町村に、情報交換できる女性の仲間がいると心強いと自らの経験を踏まえて話す。