戸別訪問活動の継続で農業者年金加入を推進 千葉・旭市農業委員会

旭市農業委員会(渡邉茂会長)では農業委員17人、農地利用最適化推進委員20人の新体制となった2017年7月から農業者年金の加入推進活動に注力してきた。2018年度には、委員が延べ253件の戸別訪問を主体的に行うなどした結果、新規加入実績数が19人となり、県内第1位という成果につながった。
旭市は千葉県の北東部に位置し、温暖な気候を活かした施設園芸、畜産、稲作、露地野菜などが盛んで、2017年の農業産出額は約582億円で全国第5位となっている。
専業と第1種兼業農家数が約7割を占めているものの、これまで農業者年金の加入者数は伸び悩んでいた。他の年金に比べ有利で魅力的な農業者年金制度について、広く内容を知ってもらうことが必要と、委員と事務局が一丸となって加入推進活動を開始した。
まず、事務局が作成した対象者名簿をもとに委員が訪問先を選定し、戸別訪問を進めた。また、毎月加入推進対策会議を開催、委員は自ら活動記録簿を作成し、活動上の課題について話し合った。戸別訪問した件数の報告や訪問時に受けた質問などの情報共有も図られている。こうした活動を進める中、各委員が意欲的に取り組む雰囲気が醸成され、継続的な戸別訪問が実現した。
2018年度の新規加入実績が一番多かった小川貢司農業委員は「戸別訪問時に簡単なアンケートで訪問先の考えを記録できていたことで加入につながったケースもある。また記録をつけたことで訪問時期や事務局と同行するタイミングも工夫できた」と話す。

これまでの活動が実り2018年度は新規目標11人のところ19人の加入実績を収め、加入目標10人以上の部で全国第2位となって農業者年金基金から農業委員会として表彰を受けた。また、委員への推進活動を積極的に働きかけてきた功績が認められて3月まで事務局で農業者年金を担当していた橋野恵子副主幹も表彰を受け、うれしいダブル表彰となった。
渡邉会長は「農業者年金基金から表彰をいただき、地道な取り組みが認められた思いだ。年金の戸別訪問を通して農地集積や遊休農地の発生防止の相談を受けたり、その他の活動にもいい影響が出ている。今後も戸別訪問を継続するのはもちろん、産業まつりや地域で参加する会議などの機会も捉えたPRを積極的に図りたい」と熱く語った。

写真=小川委員と加入者の声を掲載している農業委員会だより