農地利用最適化に一丸 青森・田舎館村農業委員会

 「田んぼアート」で有名な田舎館村農業委員会(福士眞規会長)は2018年8月31日に新制度へ移行し農業委員10人、農地利用最適化推進委員6人の16人の体制で農地利用の最適化に取り組む。

 認定農業者や集落営農組織などの担い手への農地利用集積を進めるため、村部局が昨年10月に2回開催した集落座談会で人・農地プランや農地中間管理事業の説明を行うなど、地域農業者に関連制度を周知するとともに、貸借の掘り起こしに向け村部局に農地情報を提供するなど連携強化を図った。
 また、農業委員会に農地の貸借の相談があった場合は、農地中間管理事業の活用を基本に、農業委員が人・農地プランに位置付けられた中心となる担い手に農地の利用集積を図った。
 その結果、2018年度には新たに39ヘクタールを担い手に集積。耕地面積1450ヘクタールのうち担い手への集積面積は904ヘクタールとなり、集積率は62.4%まで拡大した。

毎年7月から8月にかけ農地パトロールを実施している。村内を8地区に分けて委員が班編成、前年度の調査結果を参考に利用状況を確認しながら、記録簿や地図に記録していく。
 この結果を踏まえ、遊休農地の発生防止・解消対策を行った結果、2017年度には村内の遊休農地面積は1.4ヘクタールとなり、農地面積に対する遊休農地率は0.1%に減少した。また、このうち0.6ヘクタールは農業委員の地道な活動により、解消につながった。
 あわせて、農地転用の現地調査にあわせた見回りや村耕作放棄地対策協議会との連携を進めることにより、さらなる解消対策に努めている。

 2018年度に農業委員の工藤浩司さんが新規就農の相談を受けたことをきっかけに、黒石市在住の田中辰樹さんが就農した。
 工藤委員は田中さんに付き添って農業委員会や村部局との打ち合わせを行い、農地の借り入れや補助事業の活用をすすめた。
 現在、田中さんは約20アールの農地を借り受け、農業次世代人材投資事業を活用しながらミニトマトの生産に取り組んでいる。
 同委員会では、田舎館村認定農業者協議会の事務局も担っている。地域農業の担い手である認定農業者に対し、経営に関する研修会や県内外の視察研修、相互研さん活動を行うなどして、担い手の育成・確保に努めている。また、村部局が開催する「新規就農者との意見交換会」にも参加して相互交流を深めるなど、新規就農者の育成にも力を入れている。

写真=「人・農地プラン」座談会に農業委員、推進委員参加 南地区・同村中央公民館