農地を活かし担い手を応援する 農地の面的集積を推進 佐賀 江北町農業委員会

 佐賀県の江北町農業委員会(藤瀬宏会長)は、効率的かつ安定的な土地利用型農業の確立に力を注いでいる。農業委員が農家への意向調査をもとに、農地情報管理システムを活用し、認定農業者など担い手や地権者への戸別訪問を行い、経営規模縮小希望者と拡大希望者との利用調整活動に取り組んでいる。

 同町では、これまで農地の利用権設定は主に地縁・血縁などの相対で行われてきた。認定農業者など担い手の規模拡大は図られたものの、県道・国道を越える飛び地が多く、分散型で、通作時間、交通安全、規模拡大の阻害などさまざまな課題を抱えていた。
 このため、農業委員会は、毎年実施している「農業経営に関する意向調査」の結果をもとに、農業委員が主体となって経営の廃止・規模縮小希望者と拡大希望者への戸別訪問を実施。
 さらに、担い手間でより面的な集積を図るため、大字単位で耕作者毎に色分けを行った「農地情報管理システム」を活用し、農地の分散(利用)状況を視覚化。農地中間管理機構の機能を先取りした賃借権の交換を提案するなど、農地の面的集積に取り組んでいる。
 これらの地道な活動の結果、同町の農地流動化率は2015年12月現在で45.8%と県平均の35.3%を大きく上回り、5年前の32.4%と比べ13.4%アップに結びついた。
 「認定農業者など担い手の支援には、分散している農地をいかに面的に集積するかが課題」と藤瀬会長。そのため、「地域の農地は地域で守ろう」を旗印に、今後とも農地の面的集積を積極的に推進していきたいと熱く語っている。
 同町農業委員会の農地利用集積の取り組みは、面的にまとまった大規模農業経営のあるべき姿として、今後も期待されている。

写真説明=農地の利用状況を確認する農業委員の皆さん。戸別訪問で面的集積を推進する