農地を活かし担い手を応援する 認定農業者制度を普及 青森・五所川原市農業委員会

放棄地解消対策を積極的に実践

 青森県の五所川原市農業委員会(齋藤靖裕会長)は、耕作放棄地の解消対策を積極的に実践するとともに、認定農業者制度の普及推進と認定農業者などへの農地の利用集積を推し進めるなど活動を展開している。

 農業委員会に事務局を置く五所川原市認定農業者協会との共催による「食と農の講演会」を開催し、認定農業者など担い手のための農政情報提供を行っている。
 また、「認定農業者相談」で、認定農業者を希望する農業者に「農業経営改善計画認定申請書」の記載方法などの相談日を設けている。「ごしょがわらし農業委員会だより」に掲載して周知するほか、五所川原市認定農業者協会主催の研修会の場を活用し、認定農業者制度の周知・普及を行っている。
 2015年度以降からの「畑作物の直接支払い交付金」「米・畑作物の収入減少影響緩和対策」への対応として関係機関と連携し、農業委員が認定農業者の掘り起こしを行った結果、認定農業者は2013年度末536人、2014年度末682人、2015年9月末には850人と大幅に増加した。そのほか、担い手を支援するため、県農業会議と共催で、農業簿記講座研修会を開催しており、2014年度で21回を数える。
 農地の集積、耕作放棄地の解消対策にも積極的に取り組んでいる。
 農業委員が農地利用集積の推進、あっせん活動に積極的に取り組んだ結果、2014年度では農地のあっせん81件、利用集積755件を認定農業者などの担い手に集積した。担い手などへの農地集積・集約を加速させるため、農地中間管理事業の利用のメリットを呼びかけた結果、農地中間管理機構へ56ヘクタールの貸し付けを掘り起こした。
 さらに、毎年7月から8月にかけて同市農林水産課と連携し「農地利用状況調査」(農地パトロール)と耕作放棄地の現地調査を実施。農業委員の担当地区ごとに市内の全農地を調査して、無断転用や耕作放棄地、以前に指導を行った耕作放棄地の現状を把握。地域の重要な資源である農地を守るための指導対策に取り組み、耕作放棄地の再生利用に向けた事業、「人・農地プラン」に誘導している。
 このほか同農業委員会では遊休農地活用事業として、遊休農地活用モデル園で、毎年市内の保育園、ボランティア連絡協議会、Vic・ウーマンの会、社会福祉施設の協力を得て、子どもたちが自然環境に触れる機会をつくり、食料と農業の大切さを教えようとサツマイモ栽培も行っている。

写真上=同市認定農業者協会と共催の講演会

写真下=遊休農地を解消しサツマイモの定植(2015年度で13年目)