農委魂 Iターン就農者を育成 愛媛・上島町農業委員会会長 脇 義富さん

 「青いレモン」で知られる上島町の岩城島。脇義富さんは島の仲間とIターン就農者など新規就農者の確保・育成に力を入れる。
 代表を務めるNPO法人「豊かな食の島岩城農村塾」が、農業と島の生活を体験する町の定住促進事業の受け皿となり、塾会員の農地などで就農希望者の研修に取り組む。借りる農地は農業委員でもある塾会員が調整。荒廃農地を農村塾で開墾するなど、就農希望者の農地の確保に奔走。独立を支援する。2008年から2015年までに86人の研修を受け入れ、7世帯12人が同町に定住、就農した。現在、2人が独立就農に向け、研修を受けている。
 また、農村塾では「新規ブランド創出事業」などにも取り組む。脇さんは「良い物を作っただけでは経営は成り立たない。販売まで一貫して行うこと、流通を念頭に置いた経営をすることで、経営の安定・発展を図ってほしい」と次代の担い手たちにエールを送る。

写真説明=レモンを通年出荷できる栽培法に取り組む脇さん