農地を活かし担い手を応援する 人・農地プラン策定 滋賀・高島市農業委員会

農業委員が中心となり実現

 滋賀県の高島市安曇川町西万木地域では、同市農業委員の地村満信さん(66)が中心となり、「人・農地プラン」作りに向けた話し合いが進められ、2013年4月に策定された。地村委員が農地利用調整し、効率的な農作業が可能となるよう担い手への農地集積を図る計画だ。

 同地域は農家戸数88戸で、兼業農家が大半を占めている。集落の農地62ヘクタールは水稲経営を中心に利用されているが、「農業振興地域内の白地農地や非線引き都市計画区域の用途地域が多く、圃場整備は一部にとどまっています」と地村委員は話す。
 人・農地プランの策定に当たっては、まず、農業組合臨時総会を開き、プラン策定に向けたアンケートの実施を説明した。その後、全組合員にアンケートを実施して、64%の回答を得た。今後5年間での離農希望者が73%も占めた。後継者不足が深刻で、担い手の育成が急務であることが浮き彫りになった。
 地村委員は、この結果を受けて、“担い手”となる認定農業者や農業法人などの意向も踏まえ、まずは圃場整備された約12ヘクタールのエリア内で担い手への農地集積を進めることとするプランの素案を作成した。
 農業組合長や担い手、関係機関などを参集した座談会を開催して、プランの原案を固めた。
 プランに位置付けられたのは認定農業者と農業法人の計6経営体。地村委員もその一人として、プランに基づき農地12アールを借り受けた。また、1経営体で青年就農給付金を活用して後継者への経営継承を完了させるなどプランも順調に進んできている。
 地村委員は「今後は白地農地を含めたプランの見直しも進めていく。作業効率がさらに上がるように、農地の利用最適化の業務に力を入れ、農地中間管理事業を活用して農地集積を図っていきたい」と話している。

写真説明=今後のプランやさらなる集積に向けて打ち合わせする地村委員(中央)と農業委員会事務局