明日につなぐ(38) 兵庫県豊岡市農業委員会農業委員・ひょうご農業委員会女性ネットワーク副会長 高尾利美さん

 兵庫県豊岡市農業委員会の農業委員として4期目を務める高尾利美さん。「ひょうご農業委員会女性ネットワーク」の副会長も務めている。
 高尾さんは、大学卒業後に大阪府の幼稚園に勤務し、園庭での野菜作りや幼児のイモ掘り体験などにも携わっていた。その後、夫とともに帰郷し、1998年に夫婦で農家民宿「ファームハウスのの花」の経営を始めた。
 「食農教育に携わりたくて農業委員になった」と食育活動への思いは人一倍強い。同委員会が年に数回実施する食育授業に積極的に携わる他、農業委員として担当地区内の認定こども園の野菜栽培についてアドバイスしたり、園とも協力し、子どもたちが野菜に興味を持てるような活動を継続したいと考えている。
 最近では、同委員会の女性の農業委員と協力して、地域の伝統野菜を紹介する「カルタ作り」を計画中だ。
 同ネットワークでは、2年前から会員が地域自慢の料理を持ち寄る「大試食会」を開催している。全国組織が実施する「ベストレシピグランプリ」に応募するレシピもこの中から選定。本年度は、認定こども園の大根を使った「大根餃子」が選ばれた。
 農業委員会制度が改正された当初は、農業委員に求められる役割も変わり、食育活動を継続できるのか不安な時期もあった。「食育活動は必要。女性の農業委員が活躍できる分野。幸い、本委員会では、新制度2年目から農業委員と農地利用最適化推進委員が協力し食育活動を実施している」とのこと。
 今後の活動については「農地の集積と共に、代々この土地を守り続けている人も応援したい」と、地域農業を長年支えてきた農家への感謝を忘れずに取り組む構えだ。