1982年に農地銀行を設立 担い手への農地集積に成果 山梨・甲府市農業委員会

活発に意見が交わされる農地銀行推進員会議

 甲府市農業委員会(西名武洋会長)では、優良農地と担い手を結び付けることを目的とした独自の農地銀行活動に長年取り組んできている。

 2014年に創設された農地中間管理機構に先駆け、同委員会では1982年に「甲府市農地銀行」を設立。担い手への農地集積と耕作放棄地の発生防止に長年取り組んできた。
 農地銀行は、地域農業に精通した現職の農業委員や農地利用最適化推進委員、農協支店長、農業者の代表者からなる農地銀行推進員(77人)で構成されている。農地集積や新規就農者に対する支援などを担う他、利用状況調査の協力員としても活躍している。
 特に、新規就農者に対しては、農業委員が就農者の相談に応じたりするなど、営農環境の整備にも対応している。2018年度には、農地銀行を活用して約2ヘクタールが新規就農者に貸し付けされた。
 同委員会の青木進事務局長は、「新制度に移行の際、甲府市農地銀行も委員や任期の見直しを行った。今後も高齢化により離農者が増加することが予想されるため、農地銀行が果たす役割は重い。意欲ある担い手や新規就農者に農地を集積できるよう、農地銀行推進員と協力しながら、頑張っていきたい」と話す。

 同委員会では現在、人・農地プランの実質化に向け、農地利用最適化推進委員が中心となって農業委員と連携を取りながら奮闘中だ。
 すでに農地の利用意向を把握するためのアンケート調査に着手しており、全体の8割で配布が終わっている。回収も着々と進んでいるという。
 各推進委員が担当地区の農地所有者を戸別訪問し、所有者の年齢や耕作状況をはじめ、後継者の有無や貸し付けの意向などを確認して回収している。
 今後は、回収されたアンケートの結果をもとに、所有者の意向を把握するための地図を作成し、話し合いを進めていく予定だ。