優良農地確保と有効利用を推進 福井県農業会議

 福井県内の農業委員会と福井県農業会議(牧野百男会長)では、「地域の農地を活かし、担い手を応援する運動」を通じて、優良農地の確保・有効利用に向けた取り組みを進めている。

福井県農業会議で使用する農地転用許可済証明書            
県下一斉農地パトロール(美浜町)

 県農業会議では、市町農業委員会からの農地転用許可にかかる意見の聴取について、25人の常設審議委員を三つの小委員会に分けて事前協議を行っている。協議にあたっては、2千平方メートルを超えるなど一定の基準を上回るものや、小委員会が必要と判断する案件については現地調査を行って意見をとりまとめ、常設審議委員会に報告している。
 農地転用が許可された案件については、県農業会議が県と連携して農地転用許可済証明書を発行。転用事業者は、事業計画が完了するまで現場の見える場所に掲示することとされている。
 これは、証明書の掲示により許可を受けた適正な農地転用と無断転用農地を区別したり、農地転用には許可が必要ということを農業関係者だけでなく一般の人にも周知するためのものだ。併せて、食料生産基盤である優良農地の確保の重要性などを理解してもらうことも目的としている。

県農業会議では、農業委員会の農地利用状況調査にあわせて県下一斉農地パトロールを実施し、県内全ての市町を巡回。農業委員会活動の周知や遊休農地の発生防止と農地の有効利用の啓発活動、転用許可後の履行状況、遊休農地の解消事例調査なども行っている。
 本年度も、農地転用許可後の履行状況、昨年に転用が未完了となっていた案件の履行状況、遊休農地解消事例などを取りまとめ、農業委員会に情報提供している。

2017年度の県農業委員会大会で、農業委員と農地利用最適化推進委員が、1年間に1事例以上の農地利用最適化活動への取り組みを行うことを決議し、活動の強化を図っている。
 今後、成功事例だけでなく失敗事例も含めた活動事例の収集を行い、情報共有を図ることとしている。
 また、各委員の活動の記録励行を進め、今まで表に出ていなかった農業委員、推進委員、事務局の地道な活動の数値化も行う予定だ。